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放射能汚染地図/南相馬の仮設住宅 [状況と変動]

太田丈夫さんが、福島県の放射能汚染地図を送ってくださいました。

避難者住宅の建設地が、南相馬市なので、それを心配してです。
ありがとうございます。

20110619s.jpg

ホットスポットなぜ出現…気象と地形の複合要因


 福島県伊達市や南相馬市などで、局地的に高い放射線量が測定される「ホットスポット」が現れた理由について、日本原子力研究開発機構の永井晴康グループリーダーは「風向きや降雨量など気象的条件と、山の存在など地形的条件が重なった」と指摘する。


 福島第一原発から放射性物質の大量放出があった3月15日午後、北西方向に放射性物質の雲が広がっていたと見られ、「雲の通過と降雨が重なり、高線量の地域ができた」と話す。

 微粒子の大気拡散に詳しい群馬大の早川由紀夫教授(火山学)は4月上旬、民間による測定や国の公表データをまとめ、同原発から半径約300キロ・メートルの汚染地図を作成した。茨城県南部から千葉県、埼玉県、東京都の一部にかけ、周囲より放射線量の高い帯状の地帯が現れた。

 「一帯は海側から吹く風と、山から下りてくる風が関東平野上でぶつかり、雲を形成して雨を降らせる場所。都の水道水から放射性物質が検出されたのも、これで説明できる」と、早川教授はみる。

(2011年6月18日16時03分  読売新聞)
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みなさま


五十嵐太郎さんの研究室の設計で、
福島県南相馬市に被災者のための仮設住宅に付随する集合施設が建設されます。
その建築に描く壁画の制作が彦坂尚嘉に舞い込みました。

その仮設住宅が、杉材のログハウスであるので、
その杉材に絵を描くという話です。

南相馬市が福島原発から21キロくらいの所で、
放射線量も高いので、心配してくださる方もいます。

現地でガイガーカウンターで計測しないと分かりませんが、
公式発表ですと4倍から10倍程度あるように見えます。
下記はAさんからの心配メールです。

> 南相馬は危険だと思います。
> 勝手な言い方ですが、反対いたします。
> 人生は不確実で予測不可能ですが、危険を冒す必要性が
> 全く感じられません。
> 彦坂さんの芸術が被災地で役に立つとは思いません。
> 今回のプロジェクトはできるだけ屋外作業を少なくするか
> 現地入りを極力控えるよう対策を取られるよう希望致します。

原発事故という不測の事態に対して、避難するという退避行動は理性的なものです。

同時に、危険があっても、必要な仕事を、危険を顧みずに行うというもの、
男の子としては、重要な事なのです。

避難する時には避難して、危険の中に入る必要の時には入るのです。

伝統的な勇者というのは、危険な場所に行って戦って、無事に帰ってくる者の事です。

私自身は、この杉のログハウスのサンプルを見ましたが、美しいものでした。
自分自身の美術家の仕事として、魅力を感じます。

放射線量の高い所に避難者住宅を造る事は、愚かであると思いますが、
これもまた日本的な愚かさです。
しかし五十嵐太郎さんの建築企画も「記憶に残る仮設住宅」というもので、
思想的に共感出来るものです。

なんとか、実現したく思います。

彦坂尚嘉
  






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コメント 3

瀬越義満

私は基本的にはアメリカに住んでおりますので、南相馬市という位置がどれほど危険な場所であるのかいまいちわからないのですが、彦坂さんが壁画を描きに行くのは一時的なものですよねぇ。避難民の方々はどれだけの期間かわかりませんが、少なくとも彦坂さんが制作のためにすごす時間よりはズッと長い期間そこに住まわれるわけですよねぇ。

いろんな事情が絡まっているのだろうとは思いますが、本当にAさんが心配するような状況の場所であるなら、まずそんなところに仮説重役を設置することには反対すべきではないですか?或いは入られる避難民の方々がいま居るところに比べればかなり安全だということなのでしょうか?

彦坂さんが、仕事として魅力を感じて行かれるのは理解できますが、「記憶に残る仮設住宅」というコンセプトは疑問を感じます。自分が避難民として入居することを考えると、一番大事なのは一にも二にも快適さと利便性で、それ以外のことはどうでもいいし、余計なことに金を使うよりそのぶん快適さの向上に金をかけて欲しいと思うからです。


by 瀬越義満 (2011-06-26 10:34) 

nao

気をつけてください、といっても放射能からは逃げるしか方法がありませんけど。
芸術を意味がないよ、という人は必ず何処にもいますが、何人かは感動してくれる人がいるかもしれません。
ここまで危機的状況になったら、もう、心が強く望む方へ、無意味であってもなにかをなすしかないかと思います。そういったものが、いつかパズルが埋まるみたいに、意味のあるものに昇華するかもしれません。
皆が生き残りますように祈ります。

by nao (2011-06-26 20:19) 

ヒコジイ

瀬越義満様
コメントありがとうございます。

発言をする場合、自由に発言するのは良いのですが、しかし発言権というものが問われるという前提もあるのです。

基本的なものは「調査なくして発言権なし」というものです。これは毛沢東の有名なスローガンです。

「問題を調査しないのであれば、その問題について発言権は停止される」「調査重視!」「でたらめに反対!」というものです。

瀬越さんのご指摘をでたらめというつもりも無いですが、「まずそんなところに仮説重役を設置することには反対すべきではないですか?」というご主張は無理です。反対運動をなさるのなら、瀬越さん自身が先ずすべきであって、その上で、反対運動に勧誘するという手順でしょう。自分では何もやらないで、他人に「反対すべきではないか?」と言う権利が、何故に瀬越さんにあるのかがわかりません。発言権そのものが成立しません。他人に対して「反対するべきである」という言い方は、無責任なものであって、発言権そのものが成立しないのではないでしょうか。

同様に、基本的な指摘も、間違いがあります。「『記憶に残る仮設住宅』というコンセプトは疑問を感じます。自分が避難民として入居することを考えると、一番大事なのは一にも二にも快適さと利便性で、それ以外のことはどうでもいいし、余計なことに金を使うよりそのぶん快適さの向上に金をかけて欲しいと思うからです」という指摘の部分ですが、良く調べない者の発言です。

この企画は、まず仮設住宅があります。それは県が建てているものです。一ヶ月くらいの短期に建設をして、2年後には取り壊すという計画の住宅です。

この県の予算とは全く別の金銭的な背景で、私と五十嵐太郎さんの研究室が引き受けたのです。つまり県の仕事ではありません。私の壁画の制作は、実を言うと予算がないというか、明確ではないのです。私に言われたのは交通費などの実費の振込と、使用する材木の提供などであって、ギャラというのは未設定です。

 つまり県の集合住宅建設に付随しながらも、県の予算や管轄とは別のもので、集合集宅の中央に設置される集会場の建築です。その建築に塔を付随させようと言う提案が五十嵐さんのものです。さらにこれに付随する形で彦坂尚嘉の壁画が企画されたのです。

昨日この計画を進めている芳賀沼整さんの(株)はりゅう ウッド スタジオが、福島県郡山の公園だった場所に建設を進めている120棟の建設現場を視察に行ってきました。

瀬越さんのご主張は、県の進めている仮設住宅には、「一番大事なのは一にも二にも快適さと利便性で、それ以外のことはどうでもいい」という瀬越さん的な原理がそのまま適用されています。それとは別の、予算もないような企画が、この壁画のある集合施設と塔の建設なのです。

繰り返しますが、「問題を調査しないのであれば、その問題について発言権は停止される」「調査重視!」「でたらめに反対!」という毛沢東のスローガンは、今日でも行きていると彦坂尚嘉は思うのですが、古いのでしょうか?

by ヒコジイ (2011-06-27 22:23) 

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