映画『ピクニックatハンギング・ロック』/《超次元》〜《第6400次元》♯5 [気体分子ギャラリー]
オーストラリア映画の名作『ピクニックatハンギング・ロック』
《超次元》〜《第6400次元》まである大傑作
1975年
彦坂尚嘉 《超次元》〜《第6400次元》シリーズ♯5
映画『ピクニックatハンギング・ロック』は、オーストリア映画の名作で、強い印象の有る映画でした。今回改めて芸術分析をしてみると、《超次元》から《第6400次元》までありました。
彦坂尚嘉が見て来たすぐれた映画や美術、写真の多くは、《超次元》〜《第6400次元》あるもので、あらためて自分の作品も含めて、自分が追いかけて来たものの一貫性に驚きます。
しかし《第6400次元》まであるものを、全ての人が好きであるわけではない事も知っています。人間というのは多様なもので、お互いに相容れないとか、理解出来ない関係性というのはあるのであって、その多様性は重要で、お互いに尊重する以外にはありません。
自分の見て来たものが明らかになってくると、有る意味では落ち着くし、同時に、自分自身は多様なものを見て来たので、他の人の好みも芸術分析的には理解はできるのですが、だからと言って、他の人がこちらを理解してくれるわけではありません。
多くの人は驚く程に芸術というものに恐れやコンプレックスを強く持っています。基本的に広い視野を持つ事自体に対して拒絶があって、自分の好みのものに狭めてしか外部を見ようとしません。食べ物で言えば好き嫌いが強くて、嫌なものを食べようとはしないのです。
「美味しいものは少人数で」というのが原則であるので、すばらしいものを理解するのは少数者であって良いのです。無理強いする事はできないので、その辺は諦めた方が良いのではないかと考え始めています。
映画『ピクニックatハンギング・ロック』は、ロココを思わせる美しい少女達の映画ですが、私のドローイングシリーズは、簡単ないたずら書きのようなものに過ぎません。何故に、両方ともに《超次元》〜《第6400次元》あるのか? という疑問をもたれる方も多いかもしれません。そのことを納得のいくように説明する方法はありますが、それは言語というものそのものの問題でもあるので、知的な人でないと理解出来ません。人間には知的な人と、知的でない人がいて、知的ではない人は直接性に密着しているので、理解出来ないのです。つまり理解するという事は、知的にしか出来ないという事です。養老孟司さん的に言えば、馬鹿には死んでも解らないという事であります。
つまり《超次元》〜《第6400次元》というものの『アートの格付け』というものは、実は多様な表現を指し示しているのです。
それは言語なのです。「木」という言葉が、松の木も、杉の木も、柳の木も指し示すだけでなくて、気の船も、木の机も、木の家も、木の箸も、木の人形も、同じように「木」と言うように、それは圧縮されているのです。人間の無意識というものには、圧縮能力があって、人間の様々な体験が、無意識の中で圧縮されているのが言語なのです。この言語を使った《言語判定法》というものは、そうした圧縮性の上に展開しているので、多様なものを指し示し得るのです。
さて、映画『ピクニックatハンギング・ロック』の予告を見てください。本物の映画の方が、ずっときれいです。これは昔私は映画館で見ています。
オーストラリア映画の名作『ピクニックatハンギング・ロック』
《超次元》〜《第6400次元》まである大傑作
1975年
オーストラリアの巨大な岩山ハンギングロックで、三人の女性が消えた!
監督は、アメリカのユートピア集団シェイカーをあつかった「刑事ジョン・ブック/目撃者」のピーター・ウェアー。
美しい少女達の集団を描いていて、ロココ的な美しさに満ちたすばらしい映画。
オーストラリア映画の世界的な台頭の一翼を担った名作であります。
お久しぶりです、
お元気でしょうか?
『ピクニックatハンギング・ロック』のジャケット画とても綺麗ですね!
すこし気になるのですが
ドローイングにはメモ用紙をお使いになるのはなぜでしょうか??
理由があればお聞きしたいです。。。
by 生須芳英 (2011-06-12 14:44)
生須芳英様
コメント、ご質問ありがとうございます。
こういう手法はコンセプチュアルアートの常套的な手法です。私としてはこうした常套手段をなぞりながら、実は芸術作品を成立させている《原-芸術》《芸術》というものと、その裏側にある《原ーデザイン》《デザイン》の2重性を自覚的に制作しています。
by ヒコジイ (2011-06-13 01:11)
この映画は良かったです。
印象に残っているのは少女たちが性的な暴行を受けて殺されたことをどこかに匂わせていること。
異様なほど美しい少女たちにそこはかとない反感を持っている周囲の人々の描写。
外敵のいない植民地の微温湯的な空気感。
あとは実話のように見せていて実は全くのフィクションであることを後から知って愕きました。
by 白蓮 (2011-06-13 05:19)
白蓮様
コメントありがとうございました。
ご指摘通りだと思います。
良い映画でした。
by ヒコジイ (2011-08-01 16:08)