SSブログ

軽自動車で東京から京都を走る(改稿2加筆5改題3) [日記]

東京から京都へ.jpg

昨日2011年4月24日、藤沢から東名道路を、中川晋介さん栃原比比奈さんと一緒に軽自動車の三菱ekワゴンで走って、今朝の3時に京都に着きました。

土日は1000円であるという割引料金で走ろうとして日曜日の決行になったのです。この1000円制度も廃止されるようなので、どちらにしろ深夜割引でETCで走るしかありません。自動車で走るというのは、移動の自由を体感できて好きです。

移動料金の節約化という事もありますが、中川晋介さんと栃原比比奈さんのデスクトップのウインドウズ、そしてプリンターを運ぶ必要があったのです。

藤沢のアトリエを出るまでにまず時間がかかりました。荷物を自動車に積む作業がかなり手間をくって、積めないキャンバス類は宅急便で2つ送りました。

人間が生活するというのは想像以上に道具が必要で、そのことはコンピューターだけでなくて、こまごまとした家財道具も必要で、小さな軽自動車に電子レンジからヤカンまで積んだからです。ヤカンが無くて鍋でお湯を沸かしてコーヒーを入れるというのも、不都合だからです。「なんでもかまわない」というのが基本ですが、しかしヤカンはあった方が良いのです(笑)。

2カ所で住むといううことは、手間も費用もかかるので、愚かと言えば愚かです。が、精神的には進展もあることなのです。映像作家の大木裕之さんも四国の高松と東京の武蔵小金井の2カ所で住んでおられますが、そういう事も、精神の自由の問題なのです。一つの土地に縛り付けられて生きる事は、人間の本来性ではないのです。人間の自然性は、文明以前の自然採取段階では、移動し続けていて定着して生きてはいなかったのです。

2カ所に住むようになると、その一つが道具に対する認識の変化です。2カ所に道具を揃える事は、反省を強いられる事です。

道具を選び、使いこなすということが、人間の精神を作ります。そのことが決して容易くないのです。すでにコンピューターはMacを中心に3台手で運んでいたのですが、さらにウインドウズのデスクトップを2台動かす必要があったのです。メインは中川晋介さんの稼ぎの仕事のためですが、もう一つは私が3Dの簡単なアニメーションを作りたかったからです。3Dアニメーションのソフトはウインドウズなのです。ファイナルカットプロという編集ソフトは昨年買っているのですが、それを使いこなすことと、さらに今年はビデオカメラの購入もします。立教大学院で動画を教えることもあるのですが、私自身は映画少年で、多摩美術大学の映画研究会出身で、一時期は映画評論家もしていたのです。私にとっては絵画と映画は深く結び着いているのです。KB6400というアーティストグループは、田嶋奈保子さんも含めて、実は動画/写真/絵画を総合した芸術運動体を目指しているのです。鵜飼悠さんも面白い人で、私の評価は高くて、京都への疎開を薦めています(笑)。

藤沢から、中川晋介さんの住む吉祥寺まで行くこと自体が1時間30分くらいかかります。そこを午後の3時に出て、京田辺市に着いたのは明け方の3時でした。12時間かかった移動という事になります。

3人で交代して走るから楽だろうと思われるでしょうが、中川晋介さんは免許がありながらペーパードライバーでした。栃原比比奈さんもほとんど運転しない人で、高速運転の経験が無い人です。この二人に運転させる所から始めなければならないという道中でした。命がけですね(笑)。しかし二人は運転はできて、思ったよりもうまく行きました。私は楽だったし、何よりも楽しかったです。

この東名ドライブのためにETC装置を購入。ここでも道具の必要性があって、さらに壊れていた自動車のステレオ装置を買い替えました。長時間の運転に音楽は必需品です。それに若い二人に良い音楽を聴かせるのは重要なことです。今回聞いたた音楽はスティーブ・ライヒの『ディファレント・トレインズ』でした。中川晋介さんが興味を持って聞いてくれて、私の好きなライヒの音楽を高速で走る自動車の中川晋介で3人で聞いていくという経験は、私には至福の時でありました。私はミニマルアート・ショックから出発したアーティストなので、ミニマリズムの内側からミニマリズムを乗り越えようとして来ました。その時に、ライヒという音楽家は、ミニマリズムから出発して、これを乗り越える道程を歩んだ非常に重要な人だったのです。

東京から京都に行くというのは、東海道でつながっているので、簡単に行くと思うでしょうが、実は道が錯綜しているのです。

東名で走って、豊田JCTで新名神に入いる。さらに伊勢湾岸自動車道に入ります。

そして四日市JCTで、東名阪自動車道に入って、亀山JCTで新名神高速道にはいります。

さらに草津JCTで名神高速道路に入って、瀬田東JCTで京滋バイパスに入ってという恐ろしい複雑な道筋になります。

これを間違えた。

桑名で降りざるを得なくなって、高速道路代を節約するために普通道を走ったのですが、これもまた複雑でした。

カーナビを着けていないので、iPhonと地図で道を確認しながら夜中の下道を、高速道路並に飛ばして走り続けたのです。

新幹線、深夜バス、自動車での走行と、3つを比較すると、東京ー京都間は、もちろん新幹線が楽です。

そして深夜バスと自動車では、退屈さが違います。

3人で自動車を走らせて、ライヒを聞いて話をしているのは楽しい。

しかし、否応も無い距離の大きさと、経費の重圧があって、こういう移動生活を何故にしなければならないのか?ということは自問自答されなければなりません。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

12時間かけてのドライブの大変さもあって、一つの区切りになる体験になりました。この原稿も改稿や加筆を繰り返すことになりましたが、認識は大きく展開したと言えます。

このことは、別の記事として『芸術的アナキズム』を書きたいと思いますが、ポスト3.11の状況への吹っ切りができたという思いがあります。


nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 2

丈

おつかれさまでした!これもひとつのの冒険ですね。
放射線も予想よりは微量で推移していますので意識を切り替えたいですね。
by (2011-04-26 15:48) 

ヒコジイ

丈様
油断は出来ないです。根本的には解決策は見つかっていないのです。安心して来た頃が、一番危ないのです。
by ヒコジイ (2011-04-26 17:59) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。